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頚肩腕シンドローム(肩凝りを含む)


当症は手や腕、肩、頚の倦怠感や疼痛、痺感等が残存する残る病症で、同じ又は酷似する作業を繰り返す様な業務に従事している労働者が罹患し易いとされています。具体的には、タイピングを多く行う人、工場で作業する人、調理をする人等、多くの人が該当します。勿論、廃用的な筋疲労型の場合も少なくありません(つまり、運動不足)。

 

よく「肩だから肩」とか「腰だから腰」といった具合の対処では追いつかない症例がこの「頚肩腕シンドローム」であり、病院や整形外科でも最も盥回しにされやすい例の一つでもあります(筋弛緩剤や湿布薬の投与、よくやって軽いストレッチ程度)。現代人に多発している「肩凝り」は肩や頚そのものに要因があるとは限らず、寧ろ全身症状と言った方が近い場合も少なくありません。子どもの頃から不良姿勢(円背)となっている場合が非常に多く、対処が遅れれば遅れる程、対処に相当時間を要します。

当症の主たる症状

 

1)頚から肩、腕にかけての疼痛や痺感、筋凝り等の症状が出る症候群(肩凝りも含む)

2)眼精疲労が副因の場合はVDTシンドロームに含めますが、広義的には当症で良い

3)心理的要因で症状が増悪する場合も少なくない

4)胸部の凝り感が意外と強く出現する(最重要)

5)冷感で症状の悪化する場合も多々有り(重要)

当症の対処法

 

慰安目的な場合と混同されがちでもありますので、発症までの所作等をお伺いします。主に病証は「腎虚」或いは「肝虚」と現れる為、それらの対処を先行します。

 

不良姿勢の場合は「腰痛症」で述べた通りの対処も併用します。

 

「標治」は大円筋や棘下筋、肩甲挙筋、頭板状筋上の経穴が主体となりますが、それだけでは追いつかない場合は頚板状筋(肩甲骨の内縁に付着する)を加味します。